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【導入事例1】家電製品の使い心地が測れるか?

「製品の使い心地が測れるだろうか?」と弊社にご相談、まず不評であったデジカメのズームレバーで実験。意外な結果に!

某大手家電メーカーA社様より「デジカメのズームレバーの使い心地が測れるだろうか?」と弊社にご相談がありました。その当時、A社様のズームレバーは不評で、社内アンケートでは「固い事が原因」との結果が出ていました。担当者様は「これは主観であるため、もっと客観的な指標で測れないか?」と考えておられました。

早速、訪問した所、すでに色々な種類のデジカメが並べてありました。担当者様曰く「私がこれらを順番に操作するので、その時の脳波を測って欲しい。」との事。簡単な実験プロトコル を作成し~実験開始~解析までを行いましたが、予想通り傾向を捉える事ができませんでした。これは”ズームレバー操作”という刺激が弱すぎるからです。そこで後日、刺激を増幅するための下記の実験プロトコルを提案し、実験しました。

◆ 実験プロトコル

① 被験者の視界を遮る大きさのダンボールを用意。

② ダンボールにデジカメが入る大きさの穴を開ける。

③ ダンボール越しには、近くに1台、遠くに1台パソコンを置く。

④ 近くのパソコンと遠くのパソコンには交互にランダムな数字を表示させる。

⑤ 被験者はズームレバーを操作しながら数字を読み取り、その時の脳波を計測する。

これにより被験者の意識に占めるズームレバーの刺激の割合がかなり上がります。

解析方法と解析結果は下記の通りです。

◆ 解析方法
1) Rawデータをフーリエ変換し、周波数毎のパワースペクトルを算出
2) 指標としてα波出現量÷(θ波出現量+α波出現量+β波出現量)を1秒毎に算出したものの平均値を使用した。
3) β波はてんかん波を除去すべく20~25Hzを使用した。
4)  前後のコントロール値にて慣れ効果(=覚醒度の低下を主因とするアルファ波出現量の経時変化)を補正した。

◆ 結果

下グラフの通り、被験者5名中4名がカメラBで不快を感じていました。

社内アンケートに反し、カメラBのズームレバーは「固い物」ではなく「ツルツルすべる物」でした。

A社様は「狙ったピントより少しずれる事が酔いを起こすのでは?」と考えられました。