脳波ブログ
脳波計研究者が脳波測定の最新情報や脳波に関する知見をお伝えしていきます

眠気時の脳波について

下の4つの波形は、徹夜明けの被験者に開眼を保ってもらい、脳波を10分間計測した経過です。このように眠気が混入すると強烈にアルファ波が優位になるため、安静度・緊張度等を測る場合は眠気の除去という事が最大の課題となります。

1.覚醒時(2分経過)

まだ眠気が無いため、ベータ波優位です。

2.眠気時(6分経過)

だんだん眠くなり、所々ポッポッとアルファ波が出現します。

3.眠気時(7分経過)

眠たくてしょうがなくなった場合、目を開けているにも関わらず全体をアルファ波が占めて来ます。

4.入眠時(10分経過)

左は眠ってしまった時の脳波です。上記3とは逆に目を閉じているにも関わらずアルファ波が消失します。(睡眠脳波の研究ではアルファ波の消失をもって入眠とみなします。)

この記事の著者

木村 晶朗
株式会社デジタルメディック 代表取締役社長
木村 晶朗
関西学院大学法学部卒業後、ヤマハ発動機、ロームにてプログラム開発等を担当。独立後、ストレス軽減を目的とした「脳波フィードバックシステム」の特許を取得。本特許を事業化すべく経産省、京都府補助事業に採択され京都教育大学 中村道彦教授と6年間の共同研究を行う。その間の実験における被験者数は1,000人以上。システムは完成したがソフトウェアよりもハードウェアが評判を呼んだため脳波計の販売を開始、大手企業や有名大学に500台ほど売れる。ユーザーの実験のサポートも行っているため、経験した実験の種類は100を超える。