脳波ブログ
脳波計研究者が脳波測定の最新情報や脳波に関する知見をお伝えしていきます

刺激前の状態を揃える(対策後)

これは、前述の失敗例に実験プロトコルを施した例です。各刺激を与える前に被験者に2桁の暗算を30秒間してもらいました。(例えば、「12足す25」、「28足す35」など口頭で質問し、口頭で答えてもらいます。)そうすると刺激提示前は常にストレス状態となり、刺激前の状態が揃います。上の棒ブラフの通り、誰しもが嫌であろうタバコ臭が一番低くなっています。ストレスの代わりに安静状態にさせる先生もおられますが、安静状態であるかどうかは他者からは分かり難い為、軽度なストレス負荷がお薦めです。

この記事の著者

木村 晶朗
株式会社デジタルメディック 代表取締役社長
木村 晶朗
関西学院大学法学部卒業後、ヤマハ発動機、ロームにてプログラム開発等を担当。独立後、ストレス軽減を目的とした「脳波フィードバックシステム」の特許を取得。本特許を事業化すべく経産省、京都府補助事業に採択され京都教育大学 中村道彦教授と6年間の共同研究を行う。その間の実験における被験者数は1,000人以上。システムは完成したがソフトウェアよりもハードウェアが評判を呼んだため脳波計の販売を開始、大手企業や有名大学に500台ほど売れる。ユーザーの実験のサポートも行っているため、経験した実験の種類は100を超える。